さくらも開花し、やっと春らしい日和が増えてきました。
春は「木の芽時」の季節です。木の芽が息吹くころ精神的に不安定になることを昔の人は「木の芽時」と表現していました。春の寒暖の差に自律神経が対応できなくなり体調不良をおこすことが原因ではないかといわれています。
中国医学2千年前の「素問」という文献に春の養生法が記されています。
「春は天地の気が発生し、繁栄しようと動き始める。この時期は夜更かしすることなく就寝し、朝は早く起きて散歩する。激しい労働をすることなく、精神的には心を広く持ち、人を誉めて怒らないようにし、すべてをゆったりとのびのびさせておく。これが陽気の発生する春の養生法で、これに逆らって心を緊張させたり、根をつめて仕事をすると、春盛んになる肝の臓を傷つけ病気になる。」
気持ちがイライラすると体の中の陽気が滞って「気滞」なります。抑うつ感、頭痛、喉の閉塞感、胸やみぞおちがつかえる、お腹にガスがたまるという症状です。陽気が活発な春にはとくに気がとどこおりやすくなるのでしょう。
この春は先人の知恵を生かしてゆったりとした気持ちで過ごしたいものですね。